シーガル
渋谷BUNKAMURAザ・ミュージアムへジョージ・シーガル展を見に行ったのは2001年9月のことだった。
半裸の少女が石膏の塊の中に埋もれているようなライフキャスティングによる作品はもちろん性的な好奇心をそそるものだが、
初期の油彩画から晩年のパステル画まで、順路に従って展示されているのが良かった。
シーガル George Segalは1924年ニューヨークで養鶏場を営む夫妻の所に生まれた。
大学で美術教師の資格を取得。履修中に結婚し、卒業後長男を、後に長女を授かっている。
1950年代初め、カプローの活動「ハプニング」に参加したりしたが馴染めず、教師の仕事で生計を立てながら自らの表現方法を
模索する日々が続いた。
ギプスに使う石膏包帯に出会ったのは1961年、その翌年ニューヨークの画廊で開催された展覧会に出品し、
ポップアーティストとしてデビューを果たした。
シーガルの手法は、老若男女を問わずモデルの型を取り、その全身の型、または一部分のパーツから作品を構成する。
「妊婦シリーズ」では、一人の妊婦が臨月を迎えるまでの腹部の膨らみを、型の内側に石膏を流し込み再現。
「偶然の出会い」は、実物大の道路標識の下で、コートを着込んだ男女がすれ違う瞬間をとらえた作品。全身の型を組んで、
着色を施している。
このような手法を受け継いで、ハンソン Duane Hanson が一般的アメリカ人の複製品を作り上げ、さらにミュエク Ron Mueck が
巨大な赤ん坊のオブジェを発表している。
参照HP:George & Helen Segal Foundation
(ブログ「我夢雑報」2009年2月7日掲載「シーガル」)
(追記)
シーガルやハンソンの手法と同じ、人体を型取って作品をつくる作家には、アンドレア John de Andreaや、フォイヤーマン
Carol Jeanne Feuermanという人物がいることをあとで知った。(『ヒューマン・リアリズム展』図録(1992年開催)より。)
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