震災考



注意:震災被害についての記述を読むことで、気分がすぐれなくなる場合があります。)

合掌。2012年3月10日現在、東日本大震災による死者は15,854名、不明者は3,155名ということです。
(警察庁2012年3月10日現在まとめ、読売新聞2012年3月11日より転載。)
いまだ仮設住宅や避難先で不便な暮らしを強いられ、元の仕事への復帰もままならない被災者の多く
に対して、一日も早い復旧復興が望まれます。

さてこの拙文の趣旨は、今回の震災でわれわれの業界はどのように対応し、今後どのように
すべきか、現存するサイトの履歴から考察してみたいということです。

2011年3月11日午後2時46分、東北地方沿岸部の太平洋を震源域とするマグニチュード9.0の
地震が発生し、その直後北海道地方から東北、北関東にいたる範囲でかつてない規模の津波
が発生いたしました。これらの災害により、中部地方の一部を含む地域にすむ人々に甚大な
被害をもたらし、ガレキ処理や放射能除染の遅れなどのため、産業、教育などの面でいまだ
影響があるという現状です。

いわゆる生存報告は、地震発生直後からほぼ一週間のあいだに見うけられます。たとえば、
「彩の冷たい夢」「えびてん丼」「ざ・どあいんとぅーさまー」「少女奇想歌劇」「女性被害者の部屋」
「新炎館」「スタジオあるく」「出来ておらぬのう」「ぬれよごしの窓」「幽霊の休憩所」
「Messy punks」「Mute village」「Perspective」など。

内容を見ると、直接的な被害報告だけでなく、「深い川」からの情報提供(テンプレ)や
「Cocoasoft」の販売自粛、「ふぇち工房」からの商品発送に関するお知らせに加え、募金の
報告はその後しばらく見かけることになります。

さまざまなサイトを見ていて思い出したのが、あの評判の悪かった計画停電です。「北極付近
にある固め小屋」
では、その具体的な例が見られますが、「牙行のいろいろやること」
では詳細な震災レポに加えて、原発事故への不安が率直に語られています。

「Paranoir」「+−√3」のようにふだんどおりに振舞おうとするケースもあれば、「自己満足の果てに」
「もたぃちの裏帳面」のように趣味と現実のはざまで葛藤するケースもありました。

「Channel B.P.D.weblog」では3月20日から、「Monotonous package+」「Route 207 Revisited」
では「Pied Asian Girls」と協力して3月31日から、募金を目的とした商品の販売を行いました。
それぞれのサイトで、事後報告も行われております。

私個人としては、震災直後に記した気持ちはいまでも変わりません。この業界のあり方、
社会と個人の趣味との関係について参考になれば幸いと思い、ここに再掲載します。

「昨日はさんざんでした。職場の備品が倒れ、本や書類が散乱。手がつけられないまま、
建物内から避難しました。けれども、同僚にも同じ建物内にいた人にも、ケガ人は
なかった模様。
それから大勢の人たちと国道を南下し、4時間歩いて自宅に戻りました。親兄弟の無事も
メール、携帯電話により、確認できました。
勤務先が都内23区、住まいが川崎市の私などはまだまだ恵まれた方で、時間がたつに
つれ、亡くなわれた方、負傷された方の多さを知り、悔やまれる思いがします。
同時に懸命に復旧活動及び救出活動にたずさわる方々の献身的な努力に頭が下がる思い
がします。
このサイトはときとして、自然にある事物を娯楽、性的対象として扱っておりますが、
けっして被害にあわれた方々、これから生活再建にむかわれる方々の気分を害すること
を意図したものではありません。
むしろ少しでも、癒し、慰めとしての役割が果たせれば、幸いと思います。
「ぬれよごしの窓」管理人 ハラ・トム
(2011.3.12掲載)」

少々深刻になりすぎたようなので、最後に軽い話題を。とあるサイトで、アニメ「魔法少女
まどか☆マギカ」の放送延期に対する不満が語られていました。寄付やボランティアもした
上でのことでしたが、アスキーアートのイラストを見て、そのときはイラッとしました。

けれどもそれもまた、日常生活のひとつであるわけで、後日放映されたアニメをアナログの
テレビで見て、ビデオデッキに録画したものを見直しては涙ぐんだ私がいました(笑)


(2012年3月11日掲載)

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