塩田千春


2010年4月の第一日曜日、無料公開日をねらって、東京九段の国立近代美術館へ行った。
新海竹太郎「ゆあみ」のブロンズ像を見るためだった。
「水浴考」と題された小展示のなかに薄暗い一室があって、テレビのなかで女が何度も
泥水をかぶる映像がリピートされていた。塩田千春「バスルーム」という作品だった。

塩田千春は、1972年生まれの現代美術家で、現在はドイツ、ベルリンを拠点に活動している。
京都精華大学在学中にオーストラリアに交換留学したあと、ドイツ各地の芸術大学で腕をみがいた。

初期のころは身体を汚すパフォーマンスをいくつか行っていたようだが、
しだいに部屋じゅうの壁といい家具といい、すべてを糸でおおいつくす作品が多くなった。
女性らしい感性の豊かさと、ドイツ文化の厳格さをあわせもつような印象をうける。

(参照サイト)塩田千春ホームページ

(2011年6月18日掲載)


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